お盆も終わった8/16(日)、朝から久々に関門橋を渡って下関市の風のホールへ。
第48回山口ギターコンクールの審査を仰せつかっていたのでした。
コロナ禍のなかでの開催ということで関係者の皆さんのご苦労は大変なものだったと思います。
入場者には受付での体温の測定とQRコードが印刷された名刺サイズのカードが配られて、会場への入退場がチェックされていました。
このコンクールの特徴は参加者全員に審査員から一言メッセージを送るのですが、その用紙が入っていた袋は…
弦の袋でした!
この一言メッセージを演奏中に書き上げるのはなかなかの大仕事でした。普段手書きをすることがめっきり減ってしまったので、漢字は出てこないし、鉛筆を持つ指が妙に力が入ってしまって疲れるし、字は汚いし(これはもともと。参加者の皆さん、読めたかなあ)。
表彰式の時に、広島のギタリスト、藤井さんの次、バリトンの水谷さんの前に講評をしたのですが、なんとも中途半端なことしか言えなかったのが悔やまれます。
なので、ここで言いたかったことを書きます。一審査員の意見としてお聞きいただければ。
「ステージに出てきたところから演奏だと思ってください。」
私はその視覚情報も審査に影響していると思います。
特に今回のように審査中に講評を書いている場合、演奏が始まってしまったら一生懸命紙に書いてますから下を向いてしまいます。
登場されて椅子に向かって歩いて、お辞儀して、調弦して、演奏が始まってしばらくの間くらいしか見ることができません。
そのほんのちょっとした時間の様子から、どんな演奏を聞かせてもらえるのか、なんとなく予想をしてしまいます。
たしかにコンクールという、審査をされる特殊な状況ではありますが、参加料を払って、一定の時間はステージで演奏する権利を持っているのですから、その時間はリサイタルのつもりでポジティブに、聞いている人に曲の良さをしっかりと伝えることを意識してステージに登場して演奏するといいのではないかと思います。
「調弦について」
ギターの弦は狂いやすいのでステージでもチューニングを確認することは必要だと思いますが、あまりに長々と調弦されるとちょっと興醒めしてしまいます。最近はチューナーも小型でヘッドに装着するタイプが普及していますので、なるべく目立たない音で手短に調弦するほうが印象がいいと思います(具体的な方法は長くなりそうなので、別の機会に)。
参加者の皆さん、お疲れ様でした。