2015/10/14
2月13日にあいれふホールで行われた「作曲家 宇佐美陽一 ムジカ・コルプス 音楽は聴いている」コンサートの様子を収めたCD(録音、編集:江島正剛氏)と作曲家としての宇佐美さんの豊富な資料などが収められたブックレット(編著:宇佐美陽一、編集:石田陽介、エディトリアルデザイン:森美千子)の出版を記念したコンサートが10月14日(水)に午前は福岡南キリスト教会、午後は書斎りーぶるで行われました。
まず午前の部。10時という朝の光が高見俊雄さんのステンドグラス作品を突き抜けます。
コンサートは高橋加寿子さんのピアノでバッハ/グノーのアベマリアでスタート。
そのあと私のギターソロでF.タレガのラグリマ。それから2月のコンサートではアウリスカルテットの2nd.バイオリンだった小池彩夏さんとN.パガニーニのカンタービレを。
そもそも、今回のコンサートのきっかけは小池さんなんです。
2月のコンサートでの凜とした演奏に感銘を受けた私が「いつの日か共演させてもらえたら幸せです」とフェイスブックメッセージを送っていたのですが、7月頃に「10月の13,14に福岡に戻るので軽いコンサートなどでも構いませんのでどこかで演奏をご一緒させていただけたら…」とメッセージが。平日だし なかなか難しいかなあ、と一旦は立ち消えになりかけたのですが、もともとのご縁の宇佐美さんに相談したところ「出版記念コンサートをしよう!」という話にまとまったのでした。
こういう形で小池さんとの共演が実現して私個人としては大変嬉しかったです。
このあと、小池さんが無伴奏で弾くG線上のアリアに宇佐美さんがオイリュトミーで「運動体としての音」を表現。宇佐美さんのオイリュトミーは音楽をする人には必見だと思います。
休憩を挟んでブックレットの編集者である石田陽介さんと宇佐美さんのトークセッション。
その後、2月のコンサートで演奏されCDに収録されている曲の中から、まず弦楽四重奏のためのAURISの一部分を小池さんのバイオリンで実際に音を聞きながら宇佐美さんが解説。
次に私がギターで「冬」の2楽章と3楽章。それからピアノの高橋さんが「石の百合に」から1、4、7曲目を。いずれも作曲者自身の解説があるので理解が深まります。
最後はとしくらえみさんの墨絵パフォーマンス+宇佐美さんのピアノ即興演奏で「青のマリア」。
何とも充実した午前中のひと時になりました。
午後の部は会場を天神にある面白い本屋さん書斎りーぶるの1F奥のスペースエスパスりーぶるに移して19:00よりスタート。バイオリンの小池さんは所用で残念ながら不参加ということで午前の部とは若干内容を変えて。マリアにちなんだラグリマ(F.タレガ:ギターソロ)、アベマリア(バッハ/グノー:ピアノソロ)、マリエッタ(F.タレガ:ギターソロ)に続いて…
トークセッション中にドネルモ代表理事の山内泰さんがお忙しいところ駆けつけくださって急遽お話を。山内さんは2月のコンサートでアフタートークで的確な言葉で宇佐美さんから巧みに興味深い話を聞き出していましたし、ブックレットにも素晴らしい文章を寄稿されています。
ちなみにバイオリンの小池さんも私も演奏家として文章を書かせていただきました。トークセッションのあとは宇佐美さんの作品を。広くない会場の強みで「冬」の図形楽譜を見ながら解説。
「石の百合に」の1曲目と武満徹との関連性を作曲者自身が明かす。
としくらえみさんとの墨絵パフォーマンスは午前の部よりも更に音楽との融合がすすんでいました。
会場にお越しくださった皆さん、ありがとうございました!