(娘の楽器、ラティスちゃん。アストリアスの工場で張られたままの状態。私はこの低音弦の上面でくぐらせない結び方は出来ません^^;)
ブリッジに弦を留めるのは
色んな方法があるし(伊達巻き、太巻き、恵方巻きはないけど、ルビオ巻きというのはある)
手早く美しく交換するのは慣れないと難しいですよね。
弦端が上面に上がってきて不安定だったり
高音弦が滑って抜けて表面板にアタックして傷を付けてしまう
弦跳び
は何とも言えない罪悪感とやり場の無い怒りが。
1弦のみならず2弦もやっちゃってますね(>_<)
スペイン留学から帰国してすぐの池田慎司氏が
むこうでは弦跳びによる傷を防ぐために
表面板にカード(トランプ)を置いて弦を交換していた
と話してくれたことがあります。
おっしゃれー
と思った事を覚えてます。
帰って来てからはテレホンカードを使ってますけどね
というその次のコメントに時代の移り変わりを感じてしまいます。
十数年経った今ならさしずめnimoca(あ、福岡ローカル)かsuicaか。
弦跳びを防ぐ為、というのは副産物ですが
私はココ数年シンプルチップというものを愛用しています。
もうずいぶん前にスーパーチップという製品が売り出されて使ってましたが
一個無くしてしまったり楽器の印象がキツくなり過ぎる気がしたので使うのを止めてました。
どちらも
サドルとの角度が鋭角になって弦のエネルギーをよりよく表面板に伝える
ということをメリットに挙げていたと思います。
弦を通す穴をより下(表面板に近い方)に開ければいいのかな?
我が師匠、山下亨先生は逆の考えで
ある別の楽器をお見せした時に
鈍角の方が弦がのびのびと振動出来るのでよい
と仰ってました。
ではスーパーチップとシンプルチップを見比べてみましょう。
左:スーパーチップ 右:シンプルチップ
違う角度から
スーパーチップは弦が裏側に露出するのに対して
シンプルチップはチップの中を貫通します。
この違いが私がシンプルチップを使う要因です。
スーパーチップは特に6弦などの太い弦は盛り上がってきて
ブリッジに密着していないようなのです。
弦を着けた状態で見てみましょう。
装着した際に見える方はスーパーチップの方がスマートですが
ブリッジに接する方は
スーパーチップは弦がせり出して来ていて密着度を下げていると思います。
S.グロンドーナのJ.アルカスのCDのライナーノーツに興味深い写真が載っています。
M.リョベートが使用していた事で有名なA.de.トーレス ”ラ レオーナ”(1856)です。
結び目を作った弦を丸い輪っかに通して留めてますね。
ただ単に弦で結び目を作って留めたらどうなるでしょう?
外れ易いかな。
私がシンプルチップを選んだのは価格がお手頃だからというのも有ります^^
スーパーチップの半額以下です。
教室でも取り扱いますよ。